Winds!芸艸堂 店長ブログ

京都の芸艸堂(うんそうどう)、熟練の手技と美の凝縮「手摺木版画の世界」をご案内
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摺師の手技、お手並み拝見!

昨日に引き続き、木版画摺師市村氏のインタビューからまとめたレポートをお届けします。



【木版摺りの道具】

木版画の色摺りをご紹介する前に、道具をお披露目しましょう。

木版摺りの道具:馬連と刷毛

右上にあるのは、版木に色をのせるためのブラシです。

左上は馬連(ばれん)です。

その下は、馬連を分解したものです。



馬連は、全部天然物で作られています。

和紙を30枚程重ねて圧縮して作った型に絹を貼り、(写真左)

外側は漆を塗り重ねて仕上げてあります。

中身は、竹の皮を細く繊維にしたものを編んでひも状にし、

それを渦巻きにして糸でとめたものが入っています。(写真中)

もう一枚の型をかぶせて、それを竹の皮で覆って馬連となります。

外側の竹の皮は消耗品なので破れたら変えますが、中身は一生物だそうです。



ブラシは、昔は刷毛の大きいものに色をのせていましたが、

ブラシの登場で、現在ではこれらのブラシをご愛用。

素人の私なんか、色は筆でのせて、ブラシは馬連と同じような用途なのかと

見事に的外れな勘違いをしていて、甚だ冷や汗ものでした…。たらーっ

(もちろん、思ってただけでしゃべりませんでしたけど。イヒヒ



【木版摺りの工程】

木版画は、画家(原画製作者・絵師)と彫り師、摺り師の三者一体の分業で制作します。

ここでは、絵師と彫師はさておいて、摺り工程のみをご紹介します。



1)水に溶かした顔料をブラシにつけ、色板(版木)の上にのせます。

版木にブラシで色をのせているところ



2) 版木に付いている二か所の見当に合わせて紙を置きます。

版木に和紙を当てているところ



3) 馬連を握って、ゆっくり全身の力を馬連に込めて、丁寧に擦ります。

馬連でゆっくりゆっくり全身の力を込めてこすります



摺りの基本は色。一番難しいのは色の配合です。

手摺りの木版画は、一度の摺り部数が限定されていて、100部から200部程度です。

顔料もその都度配合する必要がありますが、それを同じように配合するのは

熟練の感に頼ることになります。

因みに、市村氏はこの道50年以上になるそうですが、まだこの世界では若い方ですって!?



また、色数が多く、グラデーションのぼかし技も京版画の特徴です。

グラデーションの美しさが出せるのは、顔料が水性であるからできること。

「西洋の油絵の具ではこんな色はでやしまへんわなぁ。」

日本の木版画は、紙の繊維に染み込ませることにより色を定着させますが、

紙の質によって同じ絵の具でも色が変わってくるのだそうです。

また、年月が経つと摺りたての時と色が違ってきます。

独特の色合いが生まれ、それを想定して摺り師は顔料の調合をするのです。

これって、すごいことですよね!



芸艸堂は、明治時代から神坂雪佳をはじめとする画家の、京友禅や西陣織の図案集を

和装本で出版していました。

これらに使われるぼかし模様などを忠実に再現するには、腕利きのお抱え摺り師が

なくてはならない存在だったわけです。

こうしたことから、江戸の浮世絵版画とはまた一味違った、花版画に代表される

美しく繊細な木版画が数多くあるのです。

この花版画に至っては、一枚を仕上げるのに、少なくても30回前後は摺られるのでした。

聞くとビックリです。びっくり



もうひとつ驚いたことは、摺った紙はどんどん左側に積み上げられていくこと!

素人的に考えると、下の紙につくんじゃないの?

と思えるのですが、なんのなんの。どんどん摺っては左へと積まれていきます。

そうなんです、和紙だから顔料はスイッと吸い込まれて、積まれた紙に

移らないんですよねぇ〜!!!

合理的なんですね。こういうのって、見てみないとわからないことでした。



「皆さん小学校の時に、必ず版画をしはるでしょ?

その時に、ただ墨一色で摺るんやのうて、何色か摺ってもろたら

版画って、版木が何枚もいって、色も何回も摺らんならんことが解るんでしょうにね。

もう一歩踏み込んだ教育がしてほしいな。」


とつぶやかれた市村氏のことばが印象的でした。

一枚の浮世絵が完成する過程はこんなにたくさんの摺工程が!

ずらりと土壁に貼られた摺り工程の浮世絵に目をやっていると、

「それなぁ、一枚の絵ができるまでに木版画はそんだけぎょうさん摺らなあかんて

わかってもらえるように貼ってあるんや。」


と、聞かずともお返事が…。一目瞭然ってやつですね。イヒヒ



おいとまする頃には、外人さんのご家族が入っていらして、市村氏は慣れた様子で

女の子美容室に英語で話しかけて、籠に入った千代紙で作った小物を

お土産に選ばせておいででした。プレゼント

その姿、めっちゃサマになっていて、思わず笑みがこぼれたひとこまでした。ラッキー
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摺師のおうちは建仁寺南門前の「超」町家だった!

木版画の版元・芸艸堂には、現代の名工摺師と呼ばれるお抱え摺師が何人かあります。

先日京都のお店に商品追加のための撮影に行ったとき、その摺師さんの取材を

お願いしてありました。

名人摺師のお一人市村守氏のお宅は、苦境に立たされている木版画の世界を

少しでも知ってもらおうと、工房見学や木版画の無料体験までOKなのでした。グッド



市村さん、実はお体を悪くされていて入院中の身。

諦めていたら、なんとその時間だけ病院を抜け出してくださるとのこと。

恐縮して訪ねて行ったら、実は外出常習犯だったようでした…。たらーっ

「今日も許可もらいにいったらな、あんたほど外出しはる患者さんは他にはいませんよ。

もう、いっそのこと退院しはったらどうですか!言われたんですわ。」

と、こんな具合いでした。ムニョムニョ



それにしても、ご自宅はあの京都五山のひとつ、有名な禅寺「建仁寺」南門の真ん前!

木版画摺師・市村氏のお宅「市村一房堂」は町家のたたずまい

何と風情のあるおうちだこと…。外人さんが大好きそうな佇まい。

いただいたイラストパンフも英語中心なのがわかる気がしました。



「世界一小さい浮世絵博物館」と名打って、玄関先がミニショップにもなっていました。

玄関のミニショップ:木版画グッズが所狭しと並んでいます

営業時間は、

 おてんき朝起きてから、夜寝る迄月

だそうで、休業日は

 不定休(休みたい時 休みます)

なのでした。

営業時間は朝起きてから夜寝るまで



工房から窓の外に目をやると小さな坪庭になっていて、季節のお花が楽しめます。

仕事に疲れたら、きっとここを眺めて気分転換なのでしょうね。

昔ながらの佇まい…。

土壁と木造の町家から、江戸時代から伝わる伝統の手技で木版画が誕生するのは

実に納得できるストーリーでした。

道具と技だけでなく、お家までもが風情があるって、やっぱり納得です。

アルミサッシの窓枠では、どうにも摺られる木版画と一致しませんから…。



次回は「摺り」の実演をご紹介。乞うご期待!



 Winds!芸艸堂ホームページへ

※ホームページはこちらのバナーから

※ご注文はお電話でもお気軽にどうぞ♪

 TEL:0575-62-0039 Winds!芸艸堂店長 岡本まで

 対応時間:平日9:00〜17:30
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木版画と和紙の関係

木版画に使う紙は、和紙が基本です。

どうしてかというと、木版画に使う絵の具は水性だからです。

西洋の油絵の具やアクリル絵の具は紙に絵の具を乗せると言う感覚ですね。

それに比べて、日本画で使う顔料等の水性絵の具は紙に色を染み込ませるわけです。

「乗せる」と「染み込ませる」では、全然違うことですね。

木版画の色は、年月が経つほど落ち着いた色合いになり、きれいな発色をします。

ぼかしやたらし込みの技法も、やはり和紙でないと上手くいきません。

染み込むからこそなせるワザなのです。

年月が経つと片や油絵はひび割れたり、剥がれ落ちたりして修復が必要ですが

木版画は、年月が経てば経つほど色に深みが出て、江戸時代の木版画も保存状態によっては

本当に味わい深いものになります。

摺師は、それを想定して色を調合しているのです。

これも、染み込む和紙があってこそですね。



また、木版画は摺る色数や図案によっても紙質を変える必要があります。

芸艸堂の花版画や、雪佳、北斎の富嶽三十六景等の木版画は、しっかりした

地厚な越前奉書和紙を使います。

紙を立てかけてもペランとならないほどの厚さ(強さ)があります。

多色摺りの木版画の場合は、たくさんの色を使って何度も摺る為、

紙が丈夫でなくてはなりません。

また、キメの荒い紙では繊細な線が出せません。

ですが、北斎漫画など枚数の多い和書になると全く用途が違うので、紙も違います。

北斎漫画の復刻版には、裏側が透けて見えるほどの薄さで強靭な特漉土佐和紙

(須崎半紙)を使用しています。

でも、ここの紙が使えるのも今回限りなのです。

後継者がいなくて、もう紙が透けないのだそうです。

紙は時代とともに変遷するので、同じ版木を用いても紙の違いで摺上がりが違います。

そこにその時代背景がうかがえて、また面白いのかもしれません。

とにかく、木版画と上質の和紙は切っても切れない縁であることに間違いはありません。

                                 (芸艸堂京都本店:吉井氏談より)
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あると便利♪芸艸堂のクリアファイル

バッグに入れておくと、とっても重宝するものがあります。

それは、芸艸堂オリジナルのクリアファイルです。



花版画クリアファイル「山葡萄」



こちらは、ちょっと秋っぽい柄の山葡萄のクリアファイルですが、

私はいつもバッグに入れて使っています。

のし袋とか、通帳を入れる用に作られたみたいですが、

私はいろんなお店のレシートやら、チケット類を一時保管しておくのに

とーーーっても便利なのです!

煩雑になりがちなバッグの中がスッキリです。拍手

バッグに入るサイズでかさばらず、人前で出しても注目されちゃいます。

いくつか持っていたのですが、みんながほしがるのでついあげてしまい、

気がついたら手元には一枚も残っていない有様・・・。

先日帰省した息子にまで取られちゃいました。

これって、女性専用かなって思ってたのですが、ね!?

早速買い足さなくっちゃ。



この商品、お安いのでセット販売です。

花版画シリーズのクリアファイルは、8種類入りで2,520円です。

まずはおためしください。



因みに、山葡萄柄は、河原崎奨堂先生の作品からとったものです。

花版画シリーズ「四季の4枚セット」でご紹介しています。

こちらも是非ごらんください。
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芸艸堂の包装紙

芸艸堂の包装紙がとってもステキなんです。

これは、木版画を包んだところの写真です。

芸艸堂(うんそうどう)の木版画包装



こちらはロゴがよくわかるようにちょっと拡大してみました。

芸艸堂(うんそうどう)の包装紙拡大



いかにも手彫りの木版っぽい柄ですよね♪

いろんなロゴがあっち向いたりこっち向いたりして・・・。

こんな楽しいデザインの包装紙で包まれていると、

何が入っているのかな?と、もらった方はちょっとうれしいと思います。



ちなみに、今夏からネットと一部の店舗のみで販売されているユニクロTシャツも、

このロゴのタグが付けられているそうです。
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